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2008年8月23日 21時22分 「里山」という空間
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近年「里山」という概念が大分定着してきましたが、多分、この方の地道な活動もそれに大分貢献していると思うんですよね。琵琶湖周辺の里山写真展を見に行ってきました。
ttp://www.daimaru.co.jp/museum/tokyo/satoyama.html
招待券をもらったのでとことこ行ってみたら、本日トークショーがあるよーん看板が出ていて、しかも開始まであと30分。せっかくだから聞いていこう!とまったりゆったりしてきました。館内を移動しながら写真を説明をしていくという感じだったんですが、もうあとからあとから喋りたいことがたくさんあるんだー!と止まらない喋り方で、こういう方の語りって聞き飽きません。「里山」の定義ってまだ曖昧で、広辞苑を引くと雑木林と出てるけれど、自分は人間が暮らしていく中での自然との関わりで産まれた「空間」だと思っています、というお話がとても印象的でした。
やはり一番記憶に残ったのは三五○おじいちゃん。ともかく頑固な漁師のおじいちゃんで、自分が漁を続けたいが為だけに川の護岸工事に賛同せず、おじいちゃんの猟場だけが昔の姿のまま残った。その距離たったの数百メートル。でもその数百メートルの中にぎっしりみっちり自然が残ってる。50年前に買ったその時既に50年は経ってた中古の舟、もちろん竿による手こぎ舟での漁。エンジンの音がないから静かで生き物たちが逃げない。音は竿が舟にあたる「コン!」という音だけ。その音が聞こえると途端に鳥たちがそちらに顔を向けるんですって。でもそれは緊張によるものじゃなくて、おじいちゃんが来た!という歓迎のわくわく。おじいちゃんは漁を終えたあと、必ず魚を数匹舟に残していくのを鳥たちは知っているから。もう50年、その関係が続いているんですって。おじいちゃんからのプレゼントを取りに来て鉢合わせした鳥たちのぎょっとした表情が、写真にばっちり写っていてかわいくて、かわいくて。
自然が失われるのも残るのもたった一人の人間の意志にかかってる。たった数百メートル。たった数百メートルの小宇宙が、この頑固なおじいちゃんの頑固な意志の上に生き残ってるんですよ。凄いことですよね..。今では護岸工事した大部分と、おじいちゃん区画の余りの差に愕然として、市で保全に乗り出しているそうです。でもまず一番に保護しなくちゃいけないのは川じゃなくてこのおじいちゃん。おじいちゃんが保護対象なんですって(笑) 古来からの方法で漁を続ける人がいるからこその自然環境なんです。だからまずはおじいちゃんの後継者を育てる必要があるんですって。ああ、とても素敵なお話でした。
んでその後にサイン会もあって整理券をもらい損ねたんですが、今日は並んでくれた人全員にサインします!って仰ってくださってサインをもらえました〜v
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