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2006年12月21日 23時57分 王の男
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映画館の、いつもは長蛇の列が蛇行する並び場には人っ子一人おらず、売り場窓口は一箇所しか明かりがついていない。ナニこの鄙びた場末の映画館のような淋しい雰囲気は...と戦きながらも窓口でチケットを購入(ポイントたまってたので無料ーv)。座席指定制なのでどこがいいかと聞かれ、「まわりに人のいない空いたところが良いです」と答えたら、「大丈夫です。がらっがら!ですから」と力一杯言われてしまいました。しかしそれは映画館的にも興行的にもまずいのでは...汗。
そんなこんなで観てきた王の男。よくわからんがなにやら女と見まごうばかりの美男が出てくるとあっては、腐女子のはしくれ、観ておかねばなるまい。程度の動機で観に行ったらば、がっつーんとやられて帰ってきましたよ。私的にはよしながふみの「彼は花園で夢を見る」と黒武洋の「そして粛正の扉を」とルコント監督の映画「リディキュール」を足して割ったような感じです。雰囲気的にはよしながふみが近いかしら。登場人物たちの切ないまでの心の機微、葛藤などがどっしりしたストーリーに織り込まれているところが、なんとなく。淋しさゆえに壊れかけていた王の狂気や、そんな王を解っていて最後まで付き添っていた愛人や、主人公芸人二人の精神的な結びつきの強さに、泣けてきました....いや泣いた。
んがっそれと同時にナニ、この傾国の美男..と目が点になりました。あの見事なまでの受け受けしさ!! そこまで素敵な萌えどころ受けどころを映像でやってくれますか!! というか、その雰囲気を演技で出してるってんだから凄いわ、凄いわ。別に特別に才覚があるだの知識があるだの気概があるだの野心があるっていうわけじゃないのに、こう、つい構いたくなってしまうようなつっつきたくなるような守ってやりたくなるような襲いたくなるような...そのすんごいまでの受け属性を演じてるたぁ!!
あれ? 観た直後は腐女子的な観点じゃなくて歴史劇としてもの凄く感動していたのに、段々頭の中がコンギル(美男の名)のナニコレ的な受け属性に思考が傾いて...。でもそういうBL的なシーンはほとんどなかったですよ。韓国の陰謀渦巻く宮中と、淋しい王様と、のし上がった元妓女と、必死な芸人たちの、哀しい歴史劇です。コレは観ておいた方がいいと思うですよ!
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